塾長の頭ん中
私たちの目指す教育
物理学者アインシュタインは、次のような言葉を残しています。
「教育とは、学校で習ったすべてのことを忘れてしまった後に、自分の中に残るものをいう。そして、その力を社会が直面する諸問題の解決に役立たせるべく、自ら考え行動できる人間をつくること、それが教育の目的といえよう。」
私たちは、「教科を学ぶ」ことで満足するのではなく、「教科で学ぶ」姿勢が大切だと考えます。
もちろん各教科で出てくる基本的な言葉、流れ、理論、法則は学んで知っておかねばなりません。しかし実際に学問を深めていく上で「教科の枠」にこだわり過ぎると、自然科学・社会科学全体の理解を妨げてしまいます。広い視野を持ち、柔軟な発想で、様々な教科・分野の知識・法則などを自由に動員し考察できるような生徒を育てていくために、時には教科間の垣根を乗り越えることも必要だと考えます。
また、教科の内容を学習する過程で会得した「問題解決力」「論理的・批判的思考力」「メタ認知能力」、そして「自らを高めようとする意志」は、将来どの社会においても求められる力です。学習する過程で経験する忍耐、工夫、試行錯誤、懊悩もまた今後の人生で大いに活かされるでしょう。
ウィルで学んだことが、生徒が卒塾した後も、人生の色々な場面で思い出され、活かされることを願って止みません。
学習塾ウィルとは
学習塾ウィルは、2000年に東所沢で誕生した塾です。開校当初は他の塾と同様、講師の個人技(≒教務力)で生徒たちの学力を伸ばし、彼らが志望する高校へ合格させるように励んで参りました。「教育とは人である」という言葉もありますように、すべては人、個人技であると信じて疑うことすらありませんでしたから、それは当然のことでした。
しかし、70を越える数多くの私学を見て回る内に、その考えが少しずつ揺らいでいきました。名門と呼ばれる一部の私学の教育は、方針や理念それ自体に求心力があり、決して教師の個人技には頼っていないのです。
また、同じ偏差値層の私学でもその生徒たちの結果に大きな差が生まれたりすることがあります。その差はどこにあるのか、興味深く調べてはみましたが、少なくともそこに教員による個人技の差はないように思えました。そもそも考えてみれば、高校の偏差値ランクがその高校の教員の方々の指導力を表しているはずがない。
では、生徒の学力アップの要因はいったいどこにあるのか?名門私学の凄みはどこにあるのか?私学の教育に触れるたびに、真の学力とは何か、本当の教育とは何かを考えるようになりました。
折りたたむ
そんな時、アフリカで活動するボランティア団体の方がテレビでおっしゃっていた言葉がひとつの気づきとなりました。これが自分の塾を根本から変えてみる決断のきっかけとなったように思います。
「世の中に支援と呼ばれているものの中には偽物が多い。相手が自分でやれるようにしてあげるのが本当の支援である。たとえ相手がいくら喜んでも、誰かがいなくては何もできないような依存心を生んでしまうようなものなら、それは支援ではない。一生その人の面倒を見ていくならともかく、そうでないのならばそれは虐待に等しい。」
それからというもの、名門と呼ばれる私学、また実績を急成長させている私学など、「これは!」と思う私学には直接お声かけをして、その方針や理念はもちろんのこと、実践の中で培われた教育論、方法論をご教授していただくようにしました。そうして、「こういうプロセスで生徒を指導していきたい、そのためにはどのような形を取ればよい結果が生まれるか。」と、理念から逆算していく形で、今のウィルの原型となる新しい塾の形はでき上がっていったのです。
…などなど、名門私学の特長を取り入れ、今までの塾で培ったノウハウをそこに加えることにより、一般的な塾ではなく、また学校でもない、そんな新しい「塾」の形を作り上げてきました。この新しい形式が整い、そこで学んだ最初の卒塾生となったのが2007年卒塾のウィルの7期生です。
この7期生の実績には地域の方々だけではなく、全国の学習塾関係の方々からも大きな反響をいただきました。このことは私たちにとって、確信に近い自信となったのですが、「この結果が毎年続くようでなければならない」「生徒の層によって年毎に変わるようなものは実績とは言わない」と、気を引き締め次年度の指導に当たりました。その結果、次年度卒塾生も28名の偏差値は平均で60を超え、その成果は二年連続で現れました。これは生徒の入れ替わりが激しい一般的な塾の掲げる実績とは異なり、生徒の入れ替わりのない3年間の成果ですから、高校が掲げるものと同様に、真の教務力を現しているものと自負しております。
ちなみに、ウィルでは生徒を導く上で「進学先」よりも「偏差値」を重視しています。進学先も塾の教務力を表す大きな指標の一つとされていることに疑念の余地は無いのですが、やはり私たちは、「進学先はご家庭で決めるものであって、塾がどうこうするものではない」という気持ちが強いのです。
高校は大学とは異なり、偏差値が高ければそれがそのまま価値となるわけではありません。高校は今や学問だけを行う場所ではなく、自分らが求める人間像、人格を形成していく場となり、社会に出る前の準備期間となります。単純に偏差値によって測るのは大学進学を第一としていることが前提の場合のみであって、生徒自身が仮にそうでないのであればそれ以外の物差しで選んで当然です。
共学か別学か、部活動のレベルや資格の取得。制服や友人の有無、通学時間や校風などなど、ご家庭で話し合って大事に大事に決めてもらいたい。情報の提供は勿論いたします。プロとして最高の情報を提示します。ただ、進路の決定に私たちが立ち入ることはできない、いや、してはいけないと思うのです。
このような進路指導をしていますから、時には「もったいない」と驚かれるような進路を選ぶ生徒も多く出ています。偏差値で言えば10も下の学校を「大学へ行く気はないよ。わたしは専門学校でやりたいことがあるんだ」と言って選んだ生徒もいます。県内最難関校に間違いなく受かるような成績でありながらも「行きたい大学のレベルは○○高校でも大丈夫でしょ。距離は近い方が自分で時間を使えるからそちらの方がいい」と進学した生徒、「サッカーで行けるとこまで行きたいから、△△高校に行く!」と偏差値を無視して選んだ生徒など、それこそ挙げればキリがありません。
周りから見ればもったいないかもしれない。でも、そういう風に将来のビジョンを持って選択していくように育った生徒のことを、僕らはちょっと誇りに思っています。 なぜなら、自分で将来の目標、自分の道を見つけ、自分で切り拓いていく人に育てたいというのがウィルの最大の目標なのですから。
最後になりますが、学習塾ウィルでは入塾時において生徒を選ぶようなことは一切しておりません。2009年度より、入塾前に学力テストを受けていただくことにいたしましたが、それはあくまで入塾時点での学力を確認するため。その結果だけによって入塾を受け付けないということはございません。そういった意味で完全な先着順です。それは、どんな生徒でもしっかりと伸ばせるという自信があるということはもちろん、それ以上に、子どもたち一人ひとりの可能性をペーパーテストだけで測りたくないという強い思いがあるからです。「三日会わざれば刮目して見よ」の言葉通り、子どもは一つの出会いで驚くべき成長を見せるということを、まざまざと見せ付けられてきたのですから。
学習塾ウィルはこれからもより良い学習環境へと改善に改善を重ね、生徒たちに将来への目標、大人になることに夢を持たせられるような、そんな学び舎を目指し邁進していきます。そして、ここに集った28名の同期生たちそれぞれの縁が願わくばその一人一人にとっての一生の宝物となりますことを心より願っています。
埼玉県所沢市で学習塾を営む塾長の頭の中
公立中学の長所を活かし、『公立中+塾』で私立中学よりもすばらしい教育を!
2006年6月26日から続けている「塾長ブログ」です。
ウィルに通われていない方にも有用な受験情報もあります。
詳しくはブログ「塾長の頭ん中」をご覧下さい(別サイトに飛びます)